
解体の真実③
解体作業に従事する日本人労働者は
超高齢化
正直に話しましょう。
汗水たらしてフーフー言いながら年配の職人が解体作業に従事する光景はよく見る事でしょう。
他人事なら「大変ですね、ご苦労さまです」と微笑ましく見守って労をねぎらえばいいのですが、これは解体業の危機の現れでしかありません。
少子高齢化で危険な仕事を嫌がる若者が増える中で、3K扱いの土木・建築の従事者が急激に減っています。解体業というのは、その建築ヒエラルキーの中でも底辺と言われ続ける位置にあるため、元請けや業者親方の職人への扱いも自ずと低くなってしまいます
。
危険な上に泥やホコリにまみれ、重機の騒音の中で重い廃材を運ぶ作業が嫌われるのは仕方ありません。建築業の単価が高騰しているといいますが、解体業だけはなかなか上昇率が鈍いので手取りも上がらないから更に辞める人が増えるという悪循環です。
うちの会社では若い日本人が頑張ってます、と喧伝する解体業者さんがいますが、ではその会社では20人も30人も若い日本人職人を揃えているのでしょうか?
月に数件の現場をこなす程度の小さな会社なら数人のスタッフで済みますが、解体業は十分に職人の頭数を揃えた会社に頼むに超したことはありません。職人が多く、重機を沢山もっているということは、欠員や機材の故障にも柔軟に対処できるということです。
労働環境が過酷なので、万が一、が万が一ではないのです。不測の事態がしょっちゅう起こるからこそ、バックアップがしっかりできる、人員体制の整った業者の方が安心できるのです。
すいません、今日は若いもんが一人休んで、とか、今日はユンボの調子が悪いんで、と言われて、ああそうですか、で終わればいいです。しかし、それは工期の遅れや工事の質の低下や追加請求に直結します。
日本の高度経済成長期の頃の写真を振り返ると、ベビーブームで多くの若者が汗水垂らして頑張っていました。いまの日本には、残念ながらそのような人的資源がないのです。
